航空写真からフィギュア・グラウンド・マップ(図地図)を作成する方法
ReRoomを使用して、都市の航空写真を敷地分析、ポートフォリオ、都市設計のプレゼンテーション向けのクリーンなフィギュア・グラウンド・マップ(図地図)に変換する方法を学びます。

なぜ航空写真からフィギュア・グラウンド・マップを作成するのか?
都市設計や敷地分析において、フィギュア・グラウンド・マップ(Figure-ground Map、図地図)は都市構造を把握するための最も有用な図面の1つです。都市を建築ボリューム(ソリッド)とオープンスペース(ヴォイド)の明快な関係へと単純化し、設計者が街区の密度、街路の連続性、空地の分布、都市のファブリック(市街地の構成)を読み取るのを助けます。
しかし実務においては、常に整ったGISやCADデータから作業を始められるとは限りません。初期スタディの多くは、Google Earth、ドローン映像、あるいは上空から見下ろした航空写真からスタートします。これらの画像には有用な空間情報が含まれている一方で、屋根のテクスチャ、車、街路樹の樹冠、影、看板、パースによる歪みといった多くの視覚的ノイズも混在しています。
図01. 都市分析のリファレンス画像として上空から見下ろした航空写真を使用する
このチュートリアルでは、ReRoomを使用して複雑な航空写真をポートフォリオ品質のクリーンなフィギュア・グラウンド・マップへと変換します。目的は正式な地図作成や測量を代替することではありません。現実の都市画像を、視認性の高い分析用ベースマップへと素早く変換することにあります。
ステップ1 — ログインして航空写真を準備する
まず、ReRoomにログインし、対象となる都市街区を上空から見下ろした航空写真を準備します。

アップロードする前に、建物の輪郭が明瞭か、道路が連続しているか、そして主要な街区構造が視認できるかを確認してください。樹木や影に過度に覆われている画像の場合、モデルが植生や暗いエリアを建築ボリュームと誤認してしまう可能性があります。
最適な入力画像は、必ずしも最も美しい画像とは限りません。屋根、道路、中庭、オープンスペース、街区のエッジが明瞭に確認できるものである必要があります。
この段階では、モデルに美しいダイアグラムを作成させることをまだ求めていません。まずはAIにタスクを理解させる必要があります。すなわち、現実の航空写真を、ソリッドな建築フットプリントとオープンスペースの明暗対比マップへと変換することです。
identify building footprints and open spaces from the aerial urban view, preserve street block structure, simplify roofs and ground texture, remove cars, trees, shadows, and visual noiseステップ2 — ホームに移動して画像をアップロードする
ログイン後、ReRoomのホームページへ移動し、都市の航空写真をアップロードします。

この画像を変換のコアリファレンスとして使用します。航空写真は、モデルが建築ボリューム、街路レイアウト、オープンスペース、街区のプロポーションを理解するためのガイドとなります。
目的は都市の構造を維持することであり、まったく新しい抽象的な地図を生成することではありません。そのため、最初の段階ではクリエイティブなスタイルのプロンプトは避けるのが通例です。
ステップ3 — フィギュア・グラウンドのプロンプトを作成する
次に、出力をフィギュア・グラウンド・マップとして明確に指定するプロンプトを作成します。
最も重要なのは、何が「ソリッド(図)」になり、何が「ヴォイド(地)」として残るべきかを定義することです。通常は、建物を黒のフットプリント(建築面積・輪郭)、オープンスペースを白のエリアとして指定します。
convert this aerial urban view into a clean professional figure-ground map, black building footprints, white open spaces, preserve street layout, urban blocks, building edges, courtyard spaces, and road network, minimal architectural portfolio style, no perspective, no shadows, no labels, no cars, no people, no trees
図02. ReRoomを使用して都市の航空写真をクリーンなフィギュア・グラウンド・マップへ変換
私たちのテストでは、単に「make it minimal(ミニマルにする)」と指示するよりも、black building footprints(黒の建築フットプリント)、white open spaces(白のオープンスペース)、preserve street layout(街路レイアウトを維持)といった単語を指定する方がはるかに効果的でした。
プロンプトで「minimal city map(ミニマルな都市地図)」とだけ指定した場合、出力はすっきりと見えるかもしれませんが、街路のプロポーションや建物のエッジが損なわれてしまうことがあります。都市分析においては、そのような構造の喪失は表面的な美しさよりも重大な問題となります。
ステップ4 — 暗部と明部のコーナーを編集する
最初の結果が生成されたら、画像全体を通して図と地のコントラストが明瞭になっているかを確認します。
影、屋根の素材、密集した植生の影響により、暗いコーナーが残ってしまう場合があります。また別のケースでは、明るすぎるエリアで建物の境界が失われ、過剰な空白エリアになってしまうこともあります。
暗部エリアに対しては、影を単純化し建築フットプリントのロジックを復元するようモデルに指示する編集プロンプトを使用します。
clean up the dark corner areas, remove shadow noise, keep only solid building footprints and clear white open spaces, preserve block edges and street layout明るすぎるエリアに対しては、失われたエッジを復元しコントラストを強調するプロンプトを使用します。
recover missing building edges in the bright corner areas, improve figure-ground contrast, keep black building masses and white void spaces, preserve the original urban block structure
図03. 暗部と明部のコーナーエリアを編集してフィギュア・グラウンドの視認性を向上させる
航空写真は露出が均一であることが稀なため、このステップは重要です。これらのエリアを整理しておかないと、最終的なダイアグラムが見た目にはミニマルであっても、分析用としては信頼性の低いものになってしまいます。
ステップ5 — ノイズを除去しプロポーションを維持する
現実の航空写真には情報が多すぎるため、フィギュア・グラウンド・マップの作成は困難を伴います。屋根のテクスチャ、樹冠、影、駐車場、道路標示のすべてが、本来把握すべき建築とオープンスペースの関係性を阻害してしまいます。
ノイズを減らすため、通常は remove shadows(影を除去)、remove trees(樹木を除去)、no roof texture(屋根テクスチャなし)、flat 2D diagram(フラットな2Dダイアグラム)といった制約を追加します。
flat 2D architectural analysis diagram, solid black building masses, clean white void spaces, remove roof texture, remove vegetation, remove shadows, preserve urban fabric and block proportions
図04. 視覚的ノイズを除去してミニマルな都市分析ベースマップを作成する
重要なトレードオフは、「クリーンさ」と「正確さ」のバランスです。画像を単純化しすぎると街区の重要なディテールが失われ、写真に忠実すぎるとダイアグラムに過度の視覚的ノイズが残ってしまいます。
多くの場合、屋根の素材やランドスケープの細部よりも、建築のエッジ、街路ネットワーク、中庭、オープンスペースの表現を優先します。
ステップ6 — ポートフォリオや敷地分析にマップを活用する
このワークフローにより、複雑な都市の航空写真を視認性の高いフィギュア・グラウンド・マップへと変換できます。敷地分析、ポートフォリオのベースマップ、都市ファブリックの比較、街区密度のスタディ、そして初期段階の設計リファレンスとして非常に有用です。
建築の輪郭線、道路の連続性、オープンスペースの境界、黒と白の関係については、ReRoomを使用した後も手動での確認が必要です。正式な都市研究や法規制の分析に使用する場合は、設計者がGIS、CAD、または測量データを用いて検証を行う必要があります。
しかし初期提案段階において、このワークフローは実際の航空画像を分析用ベースマップへ落とし込むのに要する時間を削減できます。
ここでのAIは都市分析そのものを代替するものではありません。既存の都市画像を、より読み取りやすく、比較しやすく、議論しやすい視覚言語へと翻訳する作業を支援してくれるのです。
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